「三菱一号館美術館」は、東京都千代田区丸の内にある、大手不動産会社の三菱地所運営の企業博物館です。
1894年に建てられた歴史ある建物でしたが老朽化のため解体され、2010年に美術館として復元したものが現在の「三菱一号館美術館」となります。
JR東京駅丸の内南口から徒歩5分という街中に位置するものの、館内の静かな佇まいは、都会の喧騒を忘れるに充分な異空間として存在感を放っています。
三菱一号館美術館とは
1859年の開国間もない1894年、三菱が東京丸の内に建設した初めての洋風事務所建築がこの三菱一号館でした。設計はイギリス人建築家ジョサイア・コンドル。
1894年当時、洋風事務所建築は横浜や神戸の外国人居留地、そして長崎の出島などにも見られましたが2階建の小規模のものが多く、本館のように、煉瓦造の建物内に銀行や商社、郵便局が入居するような大型建築は異例でした。
この建物は老朽化のために1968年に解体されましたが、40年あまりの時を経て、2009年に誕生した「丸の内ブリックスクエア」を構成する施設として、ジョサイア・コンドルの原設計に則って同じ地に復元されたのが、現在の「三菱一号館美術館」なのです。
建造物の構造的な制約により平均40㎡の小さい展示室20室が1~3階に分かれている点も特徴で、ここでは19世紀後半から20世紀前半の近代美術を主題とする企画展が年3回ほど開催されています。
コレクションは、建物と同時代の19世紀末西洋美術を中心に、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック、オディロン・ルドン、フェリックス・ヴァロットン作品などを収蔵。
館内施設としてミュージアムカフェ・バー「Cafe1894」、ミュージアムショップ「Store1894」、丸の内の歴史体感スペース「歴史資料室」も併設されています。
三菱一号館美術館の特徴:所蔵作品
モーリス・ジョワイヤン コレクション
トゥールーズ=ロートレック(1864~1901)が没するまで手元で保有した272点あまりのグラフィック作品群。
ジョン&ミヨコ・ウンノ・デイヴィー・コレクション
ミントンやロイヤル・ウースター、ティファニーやゴーハムなどによる秀作が数多く含まれる、174点におよぶ陶磁器、銀器、ガラス作品などのコレクション。
『グラン・ブーケ』オディロン・ルドン
ブルゴーニュ地方ヴェズレー近郊の城館の食堂装飾の中心だった作品で、ルドンが描いたパステル画としては最大。
『公園、夕暮れ』と版画コレクション フェリックス・ヴァロットン
ナビ派時代を特徴づける平坦な色面と単純化された画面構成によって、夕暮れの陽光に照らしだされるリュクサンブール公園の情景を描いた『公園、夕暮れ』と、ヴァロットンによる版画約187点。
ジャポニズム貴重文献
19世紀に西欧を席巻したジャポニスムの運動に関する同時代発行の貴重文献を精選したコレクション。
三菱一号館美術館のアクセスと行き方・場所
東京駅から歩いてすぐ、周辺には皇居外苑や日比谷公園もある素晴らしい立地環境。
電車でもバスでもアクセスしやすい場所にあります。
■名称
三菱一号館美術館/Mitsubishi Ichigokan Museum, Tokyo
■所在地
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-6-2
■開館時間
10:00~18:00
※祝日・振替休日除く金曜、第2水曜、展覧会会期中の最終週平日は21:00まで
※入館は閉館時間の30分前まで
■休館日
月曜日
※祝日・振替休日・展覧会会期中最終週の場合は開館
■交通
【電車の場合】
JR東京駅…丸の内南口→徒歩5分
JR有楽町駅…国際フォーラム口→徒歩6分
東京メトロ千代田線二重橋前〈丸の内〉駅…1番出口→徒歩3分
東京メトロ有楽町線有楽町駅…D3/D5出口→徒歩6分
都営三田線日比谷駅…B7出口→徒歩3分
東京メトロ丸ノ内線東京駅…改札口・地下道直結→徒歩6分
【バスの場合】
都04(豊海水産埠頭~東京駅丸の内南口)
都05(東京ビッグサイト~東京駅丸の内南口)
都05(深川車庫前~東京駅丸の内南口)
東98(等々力操車所~東京駅南口)
■公式サイト
https://mimt.jp/
アクセス:電車で行く場合(最寄駅からの行き方)
東京駅やJR有楽町駅、東京メトロ二重橋前〈丸の内〉駅、都営三田線日比谷駅など、いずれも徒歩10分以内のアクセスが可能です。
JR東京駅…丸の内南口→徒歩5分
JR有楽町駅…国際フォーラム口→徒歩6分
東京メトロ千代田線二重橋前〈丸の内〉駅…1番出口→徒歩3分
東京メトロ有楽町線有楽町駅…D3/D5出口→徒歩6分
都営三田線日比谷駅…B7出口→徒歩3分
東京メトロ丸ノ内線東京駅…改札口・地下道直結→徒歩6分
今回は最も利用者が多いと思われる東京駅からの最短ルートアクセスを紹介します。
東京駅丸の内南口を出て左前方、KITTE丸の内方面にある横断歩道を渡り、KITTEを左手に見ながら歩道を直進します。
1つ目の横断歩道を渡りきったら、Apple丸の内を左折、そのまま直進します。
赤いレンガ造りの建物(三菱一号館美術館裏側)と丸の内パークビルの間を右折して下さい。
建物沿いに進むと美術館入口へと続く階段があるので中に入れば到着です。
他にもバリアフリールートや、雨に濡れずに行くルートなども公式サイトで紹介されていますので参考にして下さい。
アクセス:バスで行く場合
最寄の停留所は「東京国際フォーラム前」です。三菱一号館美術館の正面に停まります。
都04(豊海水産埠頭~東京駅丸の内南口)運行系統図
都05(東京ビッグサイト~東京駅丸の内南口)運行系統図
都05(深川車庫前~東京駅丸の内南口)運行系統図
東98(等々力操車所~東京駅南口)運行系統図
都営バスならびに東急バスが運行しているので、詳細はバス会社のホームページでご確認下さい。
アクセス:車で行く場合(駐車場情報)
三菱一号館美術館の専用駐車場はありません。
公式サイト推奨の、大手町・丸の内・有楽町一帯をカバーする「丸の内パークイン」が一番便利かもしれません。
その中でも一番便利なのは、丸の内ブリックスクエアにある丸の内パークビルB2地下駐車場。
地下駐車場と美術館が直結しているので、外に出ることなくアクセスできます。
丸の内パークビル地下駐車場(丸の内パークイン)
所在地:東京都千代田区丸の内2-6-1
駐車台数:282台
営業時間:6:00〜24:00
駐車料金:30分400円
備考:車高制限3.0m
URL:丸の内パークイン
三菱一号館美術館のチケット情報
三菱一号館美術館1階のチケット窓口で当日販売も行っていますが、日時指定予約がおすすめです。
(無料鑑賞券含め)混雑すると先着順となり、上限に達すると次回入場時間まで待つ必要があるためです。
特にコロナウイルスの影響で入場規制があるのでご注意下さい。
チケット予約サービスの「Webket(ウェブケット))」で販売している日時指定券をお持ちの方は、優先的に入場できます。
※入場料金は、美術展によって異なります。
三菱一号館美術館の施設
美術館内には、カフェやミュージアムショップ、歴史資料室なども併設されています。
ミュージアムカフェ・バー「Café 1894」
美術館1階にあるミュージアムカフェ・バー「Café1894」は、
かつて銀行営業室として利用されていた場所。
1894年の三菱一号館竣工当時に撮影されたと思われる写真や、図面、保存部材から、可能な限り忠実な復元を目指したそうです。
店内では、ランチ、ティー、ディナー、バーと幅広い用途で利用できます。
ミュージアムショップ「Store 1984」
展覧会グッズや三菱一号館美術館のオリジナルグッズを中心に、
世界中から集めた上質でオーセンティックな商品がバリエーション豊かに並ぶミュージアムショップです。
三菱一号館美術館:総括
当記事では、三菱一号館美術館の歴史や施設紹介、アクセスについて書きました。
建物自体は新しいとは言え、1890年代の様式を復元し、今なお明治時代の流れを汲むこの美術館は、とても居心地のいい場所です。
周辺の皇居散策や東京駅のスポット巡りなど充実した時間を過ごせると思います。
三菱一号館美術館の施設概要
住 所 | 〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-6-2(Googleマップ→) |
交 通 | 東京駅から徒歩5分、東京メトロ千代田線二重橋前〈丸の内〉駅から徒歩3分、都営三田線日比谷駅から徒歩3分 |
時 間 | 10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)※時期や企画展により変動します。 |
休館日 | 月曜(祝日・振替休日・展覧会会期中最終週の場合は開館)、展示替期間、年末年始 |
駐車場 | なし。コインパーキング「丸の内パークイン(丸の内パークビル駐車場)」をご利用下さい。 |
URL | https://mimt.jp/ |
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