印象派展が東京都美術館で開催!詳細

公開70周年記念 映画『羅生門』展が開催。日本映画史上の傑作を徹底解剖!

公開70周年記念 映画「羅生門」展の告知チラシ写真
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国立映画アーカイブ 7階展示室では、2020年9月12日(土)から約3か月にわたり、展覧会「公開70周年記念 映画『羅生門』展」を開催します。

この展覧会では、世界初展示の品も含めてこうした名スタッフの功績の実際をデジタル展示も用いて紹介するほか、それぞれくっきりした人物像を創造した三船敏郎・京マチ子・森雅之・志村喬といった名優にも注目、さらにはヴェネチアでの受賞をめぐる当時の資料やこの映画が世界に与えた影響についても触れます。

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目次

公開70周年記念 映画『羅生門』展について

公開70周年記念 映画「羅生門」展の告知チラシ写真
公開70周年記念 映画「羅生門」展

公開70周年記念 映画『羅生門』展の構成と見どころ

黒澤明と日本映画の実力を世界に知らしめた『羅生門』を、企画から撮影、公開、世界展開にいたるまで、各種の資料によって多角的に迫り、本作を彩る様々なエピソードを再検証するとともに、デジタル技術を使った新しい資料展示の可能性にも取り組みます。

第1章 企画と脚本

のちに名脚本家となる橋本忍がデビュー前に書いたシナリオが、映画『羅生門』になるまでには多くの変転がありました。本章では、芥川龍之介作品への着目から始まったアイディアが映画の企画となり、ひとつの映画シナリオへと結実するまでをご紹介します。

[主な展示品]
手書きによる『羅生門』企画シナリオや、実質的なプロデューサーである本木荘二郎旧蔵の撮影台本など

第2章 美術

『羅生門』は、2つだけのセットとロケーションという一見安上がりな企画でしたが、羅生門のセットは撮影準備中に黒澤のイメージが膨らんで、通常の予算を上回る巨大なものとなりました。本章では製作時から話題となっていた映画美術に焦点を当てています。

[主な展示品]
『羅生門』で使用された扁額の再現画や、美術監督松山崇旧蔵の『羅生門』写真アルバムなど

第3章 撮影と録音

太陽に向けられたキャメラや近隣の水道を止まらせるほど大量の水を使った雨のシーンなど、『羅生門』の撮影は多くのエピソードに彩られています。本章では、撮影の宮川一夫、スクリプターの野上照代の撮影台本を使った新しいデジタル展示の試みや関係者のインタビューを交えながら、『羅生門』の撮影の秘密に迫ります。

[主な展示品]
森のシーンのカット尻フィルムの映像展示や、野上照代の撮影台本など

第4章 音楽

『羅生門』前後の黒澤作品の音楽を手掛けた早坂文雄は、優れた作曲家というだけではなく、黒澤監督の創作活動にも影響を与えた盟友でした。

有名なボレロ形式のテーマの楽譜スケッチなど、早世した天才作曲家が残した貴重な資料を通じて、映画の構成を活かした早坂独自の創作術をかいま見ることができます。

[主な展示品]
音楽プランを綿密に検討した作曲家早坂文雄自筆の音楽構成表や、楽譜(スケッチと総譜の一部)など

第5章 演技

本章では三船敏郎と志村喬の撮影台本を中心に、限られた登場人物と複雑な構成を持つ『羅生門』を成功させた俳優たちの多大な貢献に着目いたします。

[主な展示品]
三船敏郎や志村喬の使用台本や、京マチ子旧蔵写真アルバムなど

第6章 宣伝と公開

本章では、初公開からヴェネチア国際映画祭受賞後の凱旋上映やリバイバル公開など、国内上映の軌跡をご紹介します。特に劇場公開オリジナルポスターや公開直前に開催された特別試写会など、金獅子賞受賞前の『羅生門』を伝える貴重な資料にご注目ください。

[主な展示品]
劇場公開オリジナルポスターや、プレス資料「DAIEI AD BOOK」No.231など

第7章 評価と世界への影響

1951年のヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞は、世界が日本映画を“発見”したと同時に、日本映画界が世界に通用する自らの実力に気づくきっかけになりました。本章では、ヴェネチア映画祭出品の経緯とともに、受賞後の反響と影響を、アメリカを中心に多角的にご紹介します。

[主な展示品]
ヴェネチア国際映画祭金獅子賞トロフィ[複製]や、ブロードウェイ版『羅生門』の宣伝写真、ポール・アンドラ著『黒澤明の羅生門』原書など

特別コーナー:旅する羅生門

このコーナーでは各国のポスターや宣伝材料を中心にご覧いただきながら、『羅生門』の卓越した国際性に光を当てます。

[主な展示品]}
西ドイツのリバイバル公開版ポスターや、アメリカのオリジナル版ロビーカードなど

映画『羅生門』(監督:黒澤明)とは?

1950年8月26日に劇場公開された映画『羅生門』は、国内では大ヒットにはならなかったものの、監督黒澤明の芸術的な野心が認められ、1951年9月にヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞、さらに1952年3月に米国アカデミー賞名誉賞を受けることで国際的な評価を確立し、黒澤の、ひいては日本映画の水準の高さを世界に知らしめ、戦後復興のひとつの象徴にもなりました。

『羅生門』は、黒澤の卓越した演出力だけでなく、それまでの日本映画の作り方を革新した数々のスタッフワークに支えられています。

登場人物のそれぞれ食い違う証言が真実を覆い隠してしまう橋本忍の脚本術、ロケーションを活かしあえて太陽にキャメラを向けた宮川一夫の斬新な撮影、巨大な羅生門をオープンセットとして造形した松山崇ら美術スタッフの功績、日本の中世の物語にボレロ調の旋律を大胆に組み込んだ早坂文雄の音楽、そのような職能のアンサンブルがこの映画の醍醐味となっています。

公開70周年記念 映画『羅生門』展の開催概要

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公開70周年記念 映画「羅生門」展の告知チラシ写真

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